Last Updated on 2025年7月9日 by 管理者
現金化には、クレジットカード現金化やAmazonギフト券現金化など多くの手段があります。
今回は、そんな現金化の中でもファクタリングを紹介します。
ファクタリングは売掛金を現金化できるサービスですが、誤解している人もいるようです。
違法な手段などではなく、売掛金という債権の売却です。
借入や融資とも違うので難しい審査がなく、担保や保証人も必要ありません。
そして難しい手続きなくすぐに現金化できることなど、お得な部分をきっちり解説します。
売掛金を現金化する「ファクタリング」とは?
ファクタリングとは、売掛金を買い取ってもらうサービスのことです。
売掛金はあるけれどキャッシュがなく、支払期日が遠い時や、すぐに資金調達が必要になったときなど、ファクタリング会社に買い取ってもらうことで即座に現金化することができます。
融資ではなく売掛金、つまり資産の売却となりますので、銀行融資を受ける時のような厳しい審査はありませんし、担保や保証人も不要、受け取った現金を返済する義務もありません。
信用情報機関に借入の情報が残ることもありません。
借入・融資とは全く違い、会社の備品を買い取ってもらうようなイメージです。
また、貸し倒れのリスクごと買い取ってもらいますので、期日になっても売上金が入らないという心配もいりません。
もし売掛先の会社が倒産したとしても、すでに債権を売り渡していれば、利用者には全く支払義務も賠償責任もないのです。
ただし、まだ受け取れないはずの売掛金を現金にするわけですから、売掛金額よりも少ない、手数料を引かれた額を受け取ることになります。
手数料の多寡はリスクの多寡と考えると良いでしょう。
基本的に支払期日が遠いほど手数料は上がります。
そして審査で見られるのは利用者の会社の経営状態ではなく、売掛先が信頼性の高い会社であるかどうかです。
貸し倒れリスクが少なければ、手数料も少なくなる傾向があります。
ファクタリングには「買取型」「保証型」がありますが、以上のように売掛金を売却して現金化するものは「買取型ファクタリング」と言われます。
「保証型ファクタリング」とは大きく違いますので注意が必要です。
「保証型ファクタリング」は、将来の貸し倒れリスクへの保険のようなものです。
利用者は保証料を支払うことで、売掛金が貸し倒れてしまっても、補償金額を受け取ることができます。
貸し倒れが発生しなかった場合は、ただ保証料を支払っただけになります。
ファクタリングの仕組みは?
売掛金を現金化するファクタリングの仕組みは、2社間と3社間で違ってきます。
2社間の2社とは、利用者の会社とファクタリング会社のことです。
ここには売掛先の会社は含まれていません。
ファクタリング会社が利用者から売掛金を買取るだけですので、行われることは単純です。
売掛先に債権譲渡を知られることもありませんし、多くのファクタリング会社では秘密厳守を宣言しています。
手軽で素早い資金調達が可能なので、ファクタリングとして主に行われるのはこの2社間です。
現金化後、売掛先会社からの支払いを利用者が受け取った場合は、そのままファクタリング会社に渡すことになります。
振込先が変わったことを通知し、直接ファクタリング会社の口座へ振り込んでもらう方法もあります。
一方で3社間ファクタリングは、利用者の会社、ファクタリング会社、売掛先会社の3社で契約を行います。
3社間の場合、ファクタリング会社は買い取る債権について確認が取りやすく、支払いを直接受け取ることができるため、リスクが少なくなり手数料も少なくなります。
ただし3社間での契約となりますので、手続きは複雑になり、資金調達までの時間は長くかかってしまいます。
また、取引先に、自社が資金繰りに困っているという印象も与えてしまうでしょう。
どの会社も、できれば安定した会社と取引したいものですから、これからの取引に支障が出る可能性があるかもしれません。
売掛金の現金化「ファクタリング」を使うデメリットは?
ファクタリングには手数料が必要ですので、そのぶん、受け取れるはずだった売り上げは減ってしまいます。
そしてその負担を次の売価に乗せようとすれば、価格競争力は下がってしまうことになります。
支払い期日まで待てるのであればファクタリングは使わない方が良いのです。
とはいえ売掛金があってもキャッシュが回らず、受け取るまでに倒産してしまうケースもあります。
そのような事態にファクタリングは救いの手となるでしょう。
しかし一度のファクタリングでキャッシュフローを改善できず、何度もファクタリングを繰り返すことがよくあります。
いずれ改善できればよいのですが、自転車操業のような形になってしまえば、操業を止めることさえ不可能になってしまうでしょう。
ファクタリングすることで本当に未来があるのかは、よく考えなければなりません。
貸し倒れが発生したさいの安心を買うと考えるにしても、そのような危険な会社への売掛金の場合、それだけ手数料は高くなります。
この場合は、保証型ファクタリングの利用を考えるのも良いかもしれません。
買取型ファクタリングは手数料がどうしても高くなってしまいます。
売掛金が無くても緊急で現金調達する方法とは?
緊急で、どうしても現金が必要だというとき、法人用のクレジットカード枠を現金化をすることができます。
クレジットカードの現金化とは、カードで換金率の高い商品を買い、それを売却して現金化することです。
これをそのまま個人で行えばかなりの時間と手間がかかりますが、現金化業者を通せば「クレジットカードで指定のものを買う」だけで、すぐに現金を振り込んでもらえます。
現金化業者に頼む場合、法人カードは、個人用のクレジットカードよりも換金率が高い傾向があります。
また、限度額も法人で使うカードの方が上がりやすいです。
どちらのクレジットカードも持っているという場合は、法人用の方がお得に現金化できるでしょう。
ただし、いち社員が会社に与えられた法人カードを現金化に利用するのはやめましょう。
引き落としの段階で必ず知られてしまいます。
もちろん経営者から許可を得ている場合は問題にならないでしょう。
クレジットカード現金化は急な資金調達に有用ですが、クレジットカードで購入していますので、いずれ支払う日が来ます。
先送りにするだけではなく、最終的な資金調達方法はきちんと考えておきましょう。
また、クレジットカード現金化は違法ではありませんが、多くのカード会社で規約違反となっています。
クレジットカード会社に現金化を知られてしまうと、利用停止などの措置を受けるリスクがあります。
ファクタリングの利用判断に役立つ詳細情報
ファクタリングを検討する際に知るべき審査項目や適用シーンを解説します。
ファクタリングの審査はなぜ必要?その目的と評価のポイント
ファクタリング審査は、売掛債権の回収可能性を担保するために実施されます。評価では利用者の信用状況だけでなく、債権先の財務健全性や取引実績もチェックされる仕組みです。審査項目には以下の要素が含まれ、透明性の高い取引を支える役割を果たします。
- 売掛先企業の信用格付けや支払能力
- 債権発生の根拠書類(請求書や注文書)の整合性
- 利用者の取引履歴や決算書
この審査をクリアすれば、債権回収リスクを最小限に抑えて資金調達できるメリットがあります。
融資よりもファクタリングが適している具体的なケース
銀行融資と比べ、ファクタリングは売掛債権を担保にするため、過去に融資審査で不承認となった場合でも利用できることがあります。具体的には、以下のような状況で効果を発揮します。
- 急な設備投資や仕入れ資金を至急用意したいとき
- 取引先への支払いサイトが長期でキャッシュフローが逼迫している場合
- 担保や保証人を準備できず銀行融資が利用困難な場合
これらでは審査完了後すぐに資金化でき、事業の運転資金を確保しやすくなります。
ファクタリングが利用に適さない状況とその理由
売掛債権の額が小規模すぎると、手数料負担が相対的に大きくなる恐れがあります。また、取引先が多数に分散している場合は審査の手間が増え、時間がかかりやすいです。以下のケースでは他手段を検討したほうが安心でしょう。
- 債権先に支払遅延や未払いのリスクが高いと判断されたとき
- 手数料率が10%以上となり、金利換算で過大になる場合
- 緊急度の高い資金需要に対応しきれない場合
買取型と保証型ファクタリングの明確な違い
ファクタリングには買取型と保証型の2種類が存在します。買取型は売掛債権を業者が買い取り、即時に資金化します。保証型は債権自体は利用者が保持し、回収不能リスクに対する保証を業者が提供します。違いを比較表にまとめました。
項目 | 買取型 | 保証型 |
---|---|---|
資金調達タイミング | 即時に入金 | 債権回収後 |
リスク負担 | 業者 | 利用者 |
手数料水準 | 5~15%程度 | 1~5%程度 |
安全かつ賢くファクタリングを利用するためのポイント
リスクを抑えながら最適なコストで活用するための注意点を解説します。
悪質なファクタリング業者を見分ける重要ポイント
業者選びでは以下に注意してください。
- 所在地や資本金など会社情報が不明確な業者を避ける
- 債権譲渡登記を不要とするなど法令順守が曖昧な業者
- 手数料率が極端に高く、説明が不十分な場合
契約前に見積もりや規約をしっかり確認し、不明点は必ず質問しましょう。
債権譲渡登記の必要性と利用への影響
債権譲渡登記は第三者対抗要件を満たすために必要です。登記がないと、同じ債権が二重譲渡されたり、他の債権者が優先されるリスクがあります。登記費用や申請サポートの有無を業者に確認し、安全性を確保しましょう。
ファクタリング手数料を抑えるための検討事項
手数料を低減するコツには、以下が挙げられます。
- まとめて債権を依頼し、交渉余地を広げる
- 複数社で相見積もりを取り、条件を比較
- 長期一括契約ではなく都度契約にして柔軟性を確保
これらを実践すると、コストパフォーマンスが向上します。
ファクタリング業者選びで押さえるべき基準
信頼性と利便性を重視し、最適な業者を選ぶための視点を紹介します。
信頼できるファクタリング会社の実績と透明性
実績ある業者は取引件数や導入事例を公開しています。公式サイトで利用者口コミや企業理念を確認し、業界団体への加盟状況もチェックすると安心できます。
迅速な資金調達を実現する申し込みのコツ
審査期間を短縮するには、以下の書類を事前に揃えておくことが大切です。
- 直近の売掛金明細や請求書
- 決算書または試算表
- 会社案内や取引先リスト
準備が整えば、申し込みから入金までのスピードが格段に上がります。
個人事業主・中小企業が利用する際の特有の視点
事業規模が小さい場合は、買取最低金額や手数料率が個人向けプランで異なることがあります。個人事業主向けサービスを持つ業者や、低額から対応可能なところを選ぶと利用しやすいでしょう。また、税理士と相談して節税効果も検討してみてください。
売掛金現金化に関するよくある質問
ファクタリングと銀行融資の違いは?
ファクタリングは売掛金の売却であり、融資や借入とは全く違うものです。
担保や保証人は必要ありませんし、借入として記帳する必要もありません。
赤字決算なんだけど利用できる?
利用者の会社が赤字決算、税金の滞納があるなど、どのような財務状態でも多くのファクタリング業者は利用可能です。
審査で重要なのは売掛金先の企業の状態です。
誰にも知られずに現金化できる?
多くのファクタリング業者では、2社間であれば売掛先企業に知られることなく利用できます。
また、WEBで作業を完結できることも多いので、来店姿を見られることもなく、全国どの場所からでも利用が可能です。
ファクタリングに審査はありますか?
はい。売掛債権の回収可能性を判断するための審査が行われ、債権先企業の信用状況や利用者の決算状況などが評価されます。
売掛金の額面以上の資金を調達できますか?
基本的には売掛金の額を上限としますが、業者によっては融資枠併用の提案が可能な場合もあります。
個人事業主でもファクタリングは利用できますか?
はい。個人事業主向けプランを提供する業者があり、買取最低金額が低めに設定されていることが多いです。
ファクタリングの利用は取引先に知られますか?
買取型では債権譲渡登記が行われると法務局に情報が残ります。取引先への通知義務は原則ありませんが、契約内容によっては事前連絡が必要なケースもあります。
ファクタリングは借金が増えることになりますか?
債権譲渡による資金調達のため、借入金ではありません。バランスシート上の負債に計上されず、借入枠も圧迫しません。
赤字決算でもファクタリングは利用できますか?
売掛債権の回収見込みがあれば、赤字企業でも利用可能です。ただし審査では経営状況全体が考慮され、業績改善計画を求められる場合があります。
支払期日を過ぎた売掛金でも買い取ってもらえますか?
業者によって対応可否が異なりますが、支払遅延債権を買い取る業者もあります。ただし手数料率は高めに設定される傾向です。
売掛金現金化のまとめ
以上がファクタリングの解説でした。
簡単にまとめてみるとこうなります。
- ファクタリングは売掛金の売却で、融資とは全く違うもの
- 手早く知られずに現金化したいなら2社間、手数料を減らしたいなら3社間がおすすめ
- 気軽に現金化できるからといって、乱用は厳禁
- 売掛金がない場合はクレジットカード現金化も候補に
状況をよく考えて、何が最善な方法なのか見極めてから利用するようにしてください。